同人誌「銀聲」創刊のお知らせ

短歌結社「玲瓏」会員・甲麓庵歌会主宰
北夙川不可止
「銀聲」編集長
竹迫公市郎


  2003年2月、北夙川宅「甲麓庵」の茶の間にて、友人たちと掘り炬燵を囲んで始めた甲麓庵歌会も、発足以来すでに四年が経過いたしました。関西においてほぼ隔月のペースで開催、2005年からは関東でも例会をスタートするなど順調に成長し、2006年度には常連メンバーから短歌現代新人賞佳作一名、短歌研究新人賞予選突破三名を輩出するなど、規模だけでなく内容的にも大きな成果を挙げております。十代から大正生まれまで、若手を中心としながらもベテラン歌人も常連とする、歌壇に他の例を見ない、実に画期的かつ個性的な集団といってよいでしょう。
  また、北夙川宅や喫茶店で開催していた創成期を除き、毎回必ず文化財級の建造物を会場に選定していることでも有名となり、「雰囲気を大切にする歌会」との評価も頂いております。

  さて、今までは「組織」ではなく、市民文化NPO団体である銀聲舎が運営する「継続開催イベント」であった当歌会ですが、四周年を迎え、会員制を導入することとなりました。今後ももちろん「誰でも自由に、気軽に参加できる歌会」としての甲麓庵歌会は継続いたしますが、今後は歌会を開催するだけでなく、会員が切磋琢磨し、作品を発表することができる、“短歌を柱とせる文藝同人誌”として雑誌「銀聲」を概ね年二回程度、発行することとしたのです。

  「銀聲」はあくまでも同人誌です。従って結社誌と違い、超結社的にどなたでもご参加頂けます。また、“短歌専門誌”ではなく、あくまでも“短歌を柱とせる文藝同人誌”です。ジャンルにこだわらず、現代を生きる我々の生の「表現」を追及する、そういう雑誌にしていきたいと思います。
  主宰となる北夙川は大変な“変人”であるといっていいでしょう。しかしただの変人ではなく、非常に社交的な人間で、さまざまなジャンルにて活躍している多くの友人をその財産としています。「銀聲」はこのパーソナリティーを活かした、多彩な執筆陣と、豊かな作品によって構成される、素晴らしい雑誌になることでしょう。また、そうしなければなりません。最初はささやかな、手作りの小冊子しかできませんが、内容については百パーセント保障つき、読んで絶対損はない、そういう雑誌を目指す所存です。

  同人誌は個人誌ではありません。参加される全ての人の雑誌です。北夙川と共に雑誌を作り上げ、自らの表現を、主張を世に問いたい、そうお考えになる全ての皆さんと共に、価値あるものを作り上げていきたい、そう考えております。
  人間、一人一人の力は小さくても、力をあわせれば時に、人数以上の力を出し得るものです。そして現代ほど、日本語による表現芸術の可能性を問われている時代はない、そう考えます。
東京一極集中の弊害が叫ばれ、例えば関西においても「関西弁」が崩れつつありますが、文化のグローバル化とは、即ち文化の平準化、平滑化、陳腐化にほかなりません。このままでは世の中がどんどんつまらなくなる、そう強く危惧せずにはおれません。こんな状況の中、あえて東京ではなく関西を拠点とし、短歌を、そして日本語による表現芸術を、更には文化と芸術を論ずる雑誌を発行することは、実に深い意義のあることではないでしょうか?

  ★歌人が中心となる文藝同人誌であるが、型にとらわれず、社会通念に縛られず、常に「自由」を旨とし、創造性のある活動を心がけるものとする。
  ★短歌について、具象・写実、抽象・象徴のいずれも是とし、一定の型、枠は設けないこととする。ただ、真摯なる表現の追及のみが要求される。
  ★趣旨に賛同し、年会費を納入することにより、誰でも会員となることができる。投稿に当たっては執筆量に応じた分担金を負担することとする。年会費、分担金は別に定める。
  ★「銀聲」では会員による以下のジャンルの投稿を受け付ける。
●短歌・俳句・川柳・自由詩
●小説・評論・エッセイ・ルポルタージュ
●写真・漫画・イラスト(当面の間はモノクロのみ)
  (詳しい規約はこちら


  どうか一人でも多くの方に、雑誌「銀聲」に加わって頂きたく、お願い申し上げる次第です。この呼びかけに賛同されますれば、まずはご入会くださいませ。

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